お知らせ

皆さん こんにちは。

12月7日は24節気の大雪です。「たいせつ」と読みます。「おおゆき」ではありません。

山の峰々は雪をかぶり、平地にも雪が降る頃をさします。本格的な冬の到来を感じる頃をいいます。

自家用車の冬タイヤの履き替えはお済みですか?雪が降る前日では、間に合いませんよ。

さて、この時期は、美味しい魚が多い季節にも関わらず、漁場では時化(しけ)により漁に出られない時期とも重なります。今日も市場の中では、旬の魚介類の入荷は少なめでした。

天候等により天然魚の漁獲量は大きな影響を受けます。

ここで、興味のある方は、(1)魚種の違いはあれど、天然と養殖の漁獲量はどうなっているんだろう?と関心を持ちます。

次に、(2)魚食文化のある日本は、世界の国々と比べて漁業生産量はどうなんだろうか?

(3)世界の人口が80億人に達したそうです。人口減少や高齢化が叫ばれている日本では、漁師さんも同じ様に人口減少、高齢化を迎えているのではないか?

(4)今、養殖ビジネスに参入している企業の状況はどうなんだろうか?

こんな疑問が、これを見ている読者さんの中で出てくるんじゃないでしょうか?

はい。そんな疑問にお応えすべく、調べてみました。

この中には、考慮しなくてはならない日本国全体の大きな課題がいくつか含まれています。

その為、農林水産省、水産庁、水産試験場等の公の機関が総合戦略を発表しています。現在、新たに進行中の養殖技術等の現状と課題も発表されています。詳しく知りたい方は、そちらもご覧下さい。

(A)人口減少、高齢化

日本国内で人口が年々減少し、高齢化していることを、皆さんはテレビ、新聞、雑誌等でご覧になられていることと思います。

世界の人口は、遂に80億人に到達しました。日本では新生児の誕生は今年も80万人を切りそうです。

最近、こんな話題を聞かれていることと思います。

世界で見ると、この出生率は、日本は1.4の191位、お隣りの韓国は0.9の208位という大変な状況となっています。(合計特殊出生率を使用)

また、今日は、出産一時金が増額になるニュースも飛び込んできました。

日本の国を支えていく為には、毎年新生児100万人の誕生が必要であることが、まず一つの前提です。

ここ何年も未達の状況が続いています。色々な状況が重なり、近年、更に悪化をしています。

産地においても、人口減少、高齢化は深刻な問題となっている地域も多い様です。

都心部に近く、後継者が見つかりやすい地域は良いのですが、見つからない地域では、国が対策を練らないと水産業自体が衰退するのではないかと心配になるエリアもあります。

また、魅力的な産業にする公的な取組みが、長期的には必要となります。(期待できる収入面等)

(B)養殖業

養殖業には、大きく分けて、①海面養殖、②内水面養殖、③陸上養殖の3つがあります。

生産量が多いのは、①海面養殖です。例えば、養殖のブリ、タイ、マグロ、カキ、海苔等は、この海面養殖です。全養殖生産量の95%以上を占めます。

次の②内水面養殖は、アユ、ウナギ、ワカサギ、コイ等の養殖技術です。

この①②の中で取り上げた魚種には、一部、③陸上養殖にチャレンジしている企業が出始めています。

①海面養殖では、自然の地形や条件等をそのまま活用して養殖が出来る大きなメリットがあります。その為、初期費用やランニングコストが安い。

その半面、自然環境の影響を天然同様に受けてしまいます。

本格的に養殖事業に取り組み、結果として事業者、自治体共に大きく潤った地域も多い様です。

次は、最後の③陸上養殖についてです。(観賞用の金魚の水槽をイメージすると分かりやすいかも知れません。更に衛生的にしたイメージです。)

多くの企業がチャレンジしています。道半ばの企業、ほぼ成功し、販売を開始している企業、ふるさと納税でも人気商品になっている企業等、色々な企業がありそうです。

自然環境に影響を受けない反面、初期費用やランニングコストが高いデメリットがあります。狭い空間であり、病気が出ると被害が出やすいことも挙げられます。

サーモン、チョウザメ(キャビア)、サクラマス(黄色いキャビア)等、色んな商品が出始める様になりました。これから成長する産業と予想されます。

(C)世界の水産業の流れと日本の比較

2020年、2010年のデータを比較してみました。

海面漁業、海面養殖、内水面漁業・養殖の3つの括りで統計が出ています。

陸上養殖はデータにはまだ出てきません。他に比べて生産量が少ないことが要因です。2021年の調査では、2,356tでした。

日本においては、①海面漁業、②海面養殖、③内水面漁業・養殖でみていくと、2020年においては、①3,213千t、②970千t、③51千tの合計4,234千t。2010年においては、①3,824千t、②869千t、③73千tの合計4,766千t。

つまり、日本では、漁業全体で88.8%と減っているのです。養殖事業がまだまだ、世界に比べると漁業全体に占める割合が低い傾向にあります。

同じ比較を世界でも行ってみましょう。2020年では、①79,967千t、②68,134千t、③65,922千tの合計214,023千t。

2010年では、①80,595千t、②37,907千t、③42,459千tの合計160,961千t。

つまり、世界全体では、漁業全体で133%と増えています。海面養殖と内水面漁業・養殖が大きく増えています。また、海面漁業は増えておらず、減っています。

養殖事業、特に陸上養殖の先駆者たちは、諸々の課題を解決に向けて懸命に取り組まれている様です。更に、技術やシステムの開発を本業に取り組まれている企業もおられます。

その為、事業が軌道に乗れば、恐らく、他産業のフランチャイズ・ビジネスの様にノウハウの提供を行い、役割分担により、実際の事業運営は加盟店で…というような事業構造が出来上がるのではないかと思われます。

そこまで進めば、日本が抱える種々の課題のいくつかの解決の道筋が見えてきそうですね。

魚イラスト1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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