皆さん、こんにちは。暑い日が続きますね。
夏バテに注意して、①水分補給、②栄養価の高い食事の摂取、③適切な室温の管理を行ってください。
さて、「処暑」は暑さが収まる頃を指し、日中は暑いものの、朝晩の涼しさに初秋の息遣いを感じる頃をいいます。暑さがまだしばらく、続きそうな毎日の天候です。
この時期は、スルメイカが本来は旬を迎えます。獲れなくなりましたね。値段も高くなりました。
お盆過ぎから漁が始まった秋刀魚(サンマ)。先日、テレビで小売店の店頭で、何と1尾5,000円以上の値札が付いた秋刀魚を売っていました。
10年近く前までは、スルメイカもサンマも小売店頭の特売で1杯(尾)100円前後で売られていました。お店もそうですが、消費者にとっても秋の味覚ということで、食卓を賑わせたものです。今や遠い昔の話になってしまいました。
気候の温暖化(沸騰化)により、気温のみならず、海水温の上昇により、今まで獲れていた魚の生息域に大きな変化が起こっている様です。
さて、昨日、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出についての政府の方針が決定した様です。
8月24日に処理水の海洋放出が開始されます。
ここで、この新着情報を見て頂いた方に、「処理水の海洋放出」について正しい知識を持って頂く為、何が問題となっているのか、簡単にまとめてみることにしました。
<現状>
2011年3月11日に起こった東日本大震災によるその津波の影響で、福島第一原発1号機、2号機、3号機でメルトダウン(炉心融解)が起こりました。
今も溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷却する為に、水を入れ続けています。これに雨水や地下水も建物内部に入ってくる為、その量は1日およそ90tのペースで汚染水(ここでは未処理の為、汚染水)が出てきます。廃炉まで数十年かかります。その間、ずっとやり続ける作業となります。
90tの汚染水の量は、立方体で縦・横・高さが4.49m×4.49m×4.49mの箱に入った水と考えれば、容量はお分かり頂けると思います。
今や、汚染水や処理水は134万tを超え、敷地内に設置した1,000基の巨大タンクが一杯になっています。もう増やすことは出来ません。待ったなしが今の状況です。
そして、海洋放出に向けて、科学的根拠を得る為、国際原子力機関(IAEA)からの検証結果である「国際的な安全基準に合致するとの包括報告書」を得ています。
<処理水放出の流れ>
①汚染水はALPS(多核種除去装置)を用い、ALPS処理水となります。トリチウム以外の放射性物質の濃度が基準を下回る濃度になるまで、処理を続けます。(2ヵ月かかります)
②放出の条件に合わせて、国の定める規制基準以下に薄める作業を行います。
③岸壁付近の放水立て杭の設備に一時貯蔵します。
④海洋トンネルを経由して、沖合1km先の海へ放出します。
<誰もが気になる点>
①人体への影響(安全性) 一般人の被ばく限度が年間1ミリシーベルトと言われます。その3万分の1から50万分の1程度となっています。
②魚や海藻への影響 何らかの悪影響を受けるだろうと思われる数値の百万分の1から3百万分の1となっています。
③WHOが定める飲料水の基準である「1L当り1万ベクレル」を超えることなく、大きく下回っています。
④東電の設備運用面では、㋐異常時の対応、㋑モニタリング、放射性物質の濃度測定を130地点で行う様になっています。
⑤風評被害 これは政府や東京電力、漁協等が対策を練っていくでしょうが、どこまで行っても受け手側の判断や評価となってしまいます。正しい知識を持って頂くことが大切です。
ここでは、放射性物質の除去方法については、海洋放出のみを取り上げました。現実的な運用、コスト、期間等を考えると、この方法がベストと考えられた様です。(他には、地層注入、水蒸気放出、水素放出、地下埋設があります。)
寒流と暖流がぶつかる三陸沖は、世界三大漁場の一つです。そこで獲れる水産物は、「常磐もの」と呼ばれ、高い評価を得ています。
<私見>
政府が行うALPS処理水の海洋放出は、IAEAも認めた国際的な基準によって得られた評価に基づいています。周辺の漁場や魚介類に影響が出ないことを願っています。
政府、東京電力は、決められた手順によって得られたデータをしっかりと定期的に公表し、海洋放出した処理水の存在を世界中が認める様な運用・管理を行うことを願っています。
豊かな漁場を持つ福島県の魚介類が、今まで同様、風評被害なく食卓に上がることを願っています。
加えて、日本政府が決断した処理水の海洋放出により、福島県の人達が偏見や差別を受けることがない様に、願っています。