お知らせ

皆さん、こんにちは。

今週は「お盆」ですね。故郷や実家に戻られ、心身ともに疲れを取ろうと思われる方も多いでしょう。ゆっくりなされてください。

「やぶいりの 寝るや ひとりの 親のそば」

藪入りとは、江戸時代から始まった風習で、まだ小さい子供たちが、奉公人となって商家に住み込みで働きに出ました。そして、年に二回だけ休みをもらって、新しい着物、お小遣い、手土産を持たせてもらって、実家に帰して頂きました。

それが、「お盆」と「正月」でした。

奉公している子供たちにとっては、久しぶりに親元で過ごせる待ちに待った日なのでした。

落語に「藪入り」という人情噺があります。

藪入りの日には、両親は朝から貧しいながらも、精一杯のご馳走を用意し、子供の帰りを、今か今かと待っています。

両親は奉公に出る前のやんちゃな姿しか知らないので、元気に飛び込んで来る姿を想像していましたが、戻ってきた子供は奉公先で立派に成長しています。

玄関に入るなり、「父上様、母上様、ご無沙汰いたしております。その後、お変わりございませんか。今日は藪入りでお休みを頂き、戻ってまいりました。」

と丁寧に挨拶を述べ、深々と頭を下げる。

ビックリしたのは両親で、ポカンと口を開けた父親が母親に突っつかれて、「これは遠路はるばるご苦労様でございます。立ち話も何でございますから、どうぞ、お上がりください。」と訳の分からない挨拶をして、ちんぷんかんぷんな会話が始まる。

その後は、親子打ち解け、楽しい一日を過ごす、ほのぼのとした良いお噺です。

さて、冒頭の俳句は、炭太祇(たん たいぎ)の作で、江戸時代、与謝蕪村とほぼ同じ時期に活躍した俳諧師であり、庶民の素朴で誠実な暮らしの風景を生涯見つめ詠った名人です。

この子には、何らかの事情があって、母親か父親しかいない。そんな俳句です。子供にとっては、親に会える待ちに待った日、これが「藪入り」です。

奉公先のこと、辛かったこと、楽しかったことなどを夢中になって親に話したでしょう。そして、夜になり、短い時間を惜しむように、その子は親の胸に抱かれる様に眠ったことでしょう。

この藪入りの時期は、都会の食品売場よりも田舎の方が、よく売れるといいます。

故郷でお待ちかねのお父さん、お母さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、ご兄弟、ご姉妹・・・。

待ちに待った「藪入り」です。

精一杯、美味しいものをご準備してあげてください。

 

 

 

 

 

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